夜空の琥珀
 
「……若葉くんなら、私の友達になってくれるかもしれないって思ってた。でも、独りよがりだったみたいだね。もう私のことなんか気にしないでよ」



 ひどいこと、言いたくないのに、溢れて止まらない。



「紅林さ……」


「もう本当にいいの! 追いかけてこないで!」



 若葉くんを振り払って、逃げたかっただけなのに。



 ――パンッ!



 若葉くんの手を、叩き払っていた。


 でも、茫然自失したのは私のほう。

 
 若葉くんが、唇を強く噛んだ。



「――冗談じゃないっ!」



 背中に衝撃が走る。

 私は、一瞬で壁に押し付けられていた。
 
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