夜空の琥珀
人というのは、なんとバカな生物なのだろう。
己が良かれと思ったことはすべて正しいと解釈し、こっちの意思など関係なく押し付ける。
ろくなことはしないクセに、他人を蔑むことだけには長ける。
だから俺は、人と関わるのが嫌いだった。
怪物だの、恐ろしいだの、愚かしい。
決して紅林を弁護しているわけではない。
人間の哀れな性に、失望しているのだ。
「お前らのおしゃべりに付き合っているヒマはない」
アイツらがどんな顔をしてようが、俺には関係のないこと。
今度は振り返ることなく、その場を去った。