夜空の琥珀
 
「何をするつもりだ……!」


「聞いてなかったのか? 礼儀をわきまえない後輩をしつけるんだよ」


「城ヶ崎は! アイツはどうしたんだ!」


「あんなヤツ、もう俺らとは関係ない! 城ヶ崎はすっかり腑抜けになっちまった。それも全部、お前のせいだ!」



 悲痛な叫びで私を突き刺したのは、朝桐くん。



(私が、城ヶ崎を腑抜けにした……?)



 意味がわからない。

 それに、この3人が長谷川先輩と手を組む理由も見当たらない。



「長谷川、コイツらに何を言った!」


「何? 何ねぇ」



 長谷川先輩は、わざとらしく首を傾げ――



「別に変なことは言ってないぜ? 一言だけだ――そう、俺がミブロだってな」



 ――嗤った。
 
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