夜空の琥珀
若葉くんが怒ってる。
でも、以前感じた恐怖は一向にやってこなかった。
叫ぶ若葉くんから感じられるのは、必死さと安堵。
探してくれていた? 私を?
そう思うと怒りは少し引いたけど、代わりに素直になれない気持ちが満たす。
「さっ……探してたって、先にいなくなったのはそっちでしょ! 『関わるな』とか言って、こっちの気も知らずに勝手に行っちゃってさ! 私がどれだけ寂しい思いをしたと思ってるの!?」
「……え?」
今度は、若葉くんがまばたきをする番だった。