夜空の琥珀
 
「気づかなかった私も悪かった! 無意識のうちにたくさん傷つけてたってわかって、すごく後悔した!

 だけど、私だって若葉くんに対する気持ちは嘘じゃなかったもの! 一緒にいて楽しいって、会えて本当によかったなぁって気持ちは本物だったもの!

 私は独りぼっちだったから、どうしても友達が欲しかったの! 子供の頃からそれだけを望んでた!

 だから若葉くんが優しくしてくれて、やっと夢が叶うって嬉しかった。それが……まさか、こんな……」



 一緒にいると恥ずかしくなるのに、傍にいないと会いたくなる。

 会えたとき、すごく嬉しいはずなのに胸が苦しくなる。

 たくさんの矛盾の狭間で、私はずっと戸惑っていた。
 
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