夜空の琥珀
 
「朝桐くん、日野くん、和久井くん!」



 声をかけられ、ハッと我に返った3人を見据える。



「本当に、仲間なんかじゃないの?」


「何を……」


「城ヶ崎のこと、本当は嫌ってなんかないんじゃないの?」


「違う! 俺たちはアイツのことなんか……」


「どうでもよくなったなら、どうして長谷川先輩と手を組んだの?

 さっき、私のせいで城ヶ崎が腑抜けになったって言ってたよね。私がいなくなったら城ヶ崎が元に戻るんじゃないかって、そう思ったんじゃないの?

 本当は城ヶ崎のこと……心配してるんでしょう?」


「……っ、それは……」



 視線を伏せ、俯く3人に、長谷川先輩は苛立ちを募らせる。
 
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