夜空の琥珀
 
「んだよお前ら。紅林さえいなけりゃいいんだろ。だったらやっちまえよ。こいつはただの女なんだぜ。お前らがかかれば一瞬だろうが」


「……けど」


「いい加減にしろよ! 俺の言うことが聞けねぇってか! ハッ、所詮お前らも城ヶ崎と同じ腑抜けだったってことか」


「彼らを悪く言わないで!」


「ほぉ、この俺にたてつくのか。ミブロの恐ろしさは知っているだろう?」


「何を言っているの? ミブロは私を助けてくれた。そんなことも覚えていないのね。

 ――やっぱりあなたは、ミブロじゃない。私利私欲のためだけに友達を思いやる心を踏みにじる人なんかが、ミブロのはずがないわ」
 
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