夜空の琥珀
 
「ただの女で何が悪いの? 金髪だから不良だなんて、それはあなたたちの勝手な押しつけよ!」



 みんな表面の私しか見てくれなくて、大切なところは素通りしていた。


 そんなとき立ち止まって、初めて目を向けてくれた若葉くん。

 不良という殻に隠された本当の私を、見つけ出してくれた。


 彼が綺麗だと褒めてくれた髪。

 私には、恥じることなど何ひとつない。

 今なら言える。



「これが『私』よ! 弱い私が本当の自分よ! でも、それでもいいって言ってくれる人がいる。ありのままで充分だって、私のことを受け止めてくれる人がちゃんといる。

 だから私は、もう自分を押し殺したりなんかしない。みじめだって言われても、私自身を偽ったりなんかしない! 絶対に逃げない!」
 
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