夜空の琥珀
「あの……身体がキツイとかない?」
「どうして?」
「私のことで気を遣わせちゃってるから……」
満月の夜から、今日で1週間。
あの大きな出来事を境にしても、やはり私たちを取り巻く環境は変わらない。
私は不良と誤解されたまま。
若葉くんは気に留められないまま。
凝り固まった観念を一変させられると思うほど私も舞い上がっちゃいない。
少しずつ少しずつ、変えていくことが大事。
でも、こうも変化がないともどかしくなる。
私が重荷になってるんじゃないか、って。
「私のことはいいけど、若葉くんは本当にいい人なんだもの。そのことを知ってもらえないのは、悔しいなって思うの」