夜空の琥珀
「あーそう。何のことかわかんないの。それはそれでイラっとくるなぁ……」
ここまでくると、さすがの私も危険を察知。
ちょっと待って?
若葉くんってこんなキャラだっけ?
ご機嫌がうるわしくないです!
ゆらり、と立ち上がった若葉くんが、薄ら笑いを浮かべながら眼鏡を外す。
これはアレですか。
俗に言う「表に出ろや」ですか。
黒いほうの若葉くん降臨ですかっ?
焦りと恐怖でパニックに陥った私の前に、澄み切った新緑の瞳が現れる。
ふたつの瞳に見つめられると、身動きが取れなくなってしまう。
「いいことを教えてあげようか」
硬直した私に、若葉くんはあくまで不敵な笑みを投げかける。