夜空の琥珀
「いい? 今から言うよ」
そう言い、若葉くんが耳元に口を寄せてきた。
一体何を言われるのだろうと、気が気でなくなる。
「実は……」
吐息が耳朶にかかる。
やがて紡がれる言葉。
「僕たちが初めて会ったのは、3年前じゃないんだよ」
「…………はい?」
「僕のこと、覚えてない? ――セラちゃん」
ドクン、と胸が高鳴った。
家族以外に名前を呼ばれることなんて久しぶりだったから、ビックリしたと思ったけど、着眼点が違うことに気づいた。
私、今なんて思った?
何が久しぶりだったって?