夜空の琥珀
 
 あまりに沈黙が続くものだから、不思議に思って見上げると、若葉くんに無理やり引っぺがされてしまった。



「自由にさせるとろくなことしないんだから」


「そんなこと言ったって、若葉くんが……っ!」



 言い募ろうとしたそのときだ。

 ぐいっと、強い力に身体をさらわれたのは。


 若葉くんの顔がえらい近くにあるなぁと思った次の瞬間、唇を押し当てられる。


 あ、と意味を持たない声が口からこぼれ、頭の中が真っ白になる。


 熱い。

 やわらかいものが触れた場所――額が。 



「……今さらこれくらいで終わるのが、甘いんだけどね」



 呆然と見上げると、どこか熱っぽい若葉くんの視線とかち合った。

 にこりと笑いかけられたとたん、恥ずかしさがじわじわと込み上げ、額を押さえながら、口をぱくつかせる。
 
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