夜空の琥珀
 
「い、いまっ、今……っ!」


「はい、余計なこと考えない! ……そんなに動揺されちゃ、先が思いやられるよ」


「え?」


「何でもない。だけど……これだけは言わせて」



 身体を離した若葉くんが、神妙な眼差しで私を見つめる。



「もう、独りにはさせない」



 そう告げる彼の表情が、いつかの笑顔と重なる。

 伸びた背、広くなった肩、大きくなった手、強くなった眼差し。

 男の子にしては華奢な彼も、もう立派な男性だった。



「ずっと一緒にいる。安心して、僕を頼って。今まで辛かった分もちゃんと受け止めるって、約束する」


「若葉くん……」
 
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