夜空の琥珀
前髪を少しだけ掻き上げてみると、幾房かがサラサラと額に落ちてきた。
長いまつげは瞬きを忘れている。
白い肌と艶のある黒髪は、女の私から見ても羨ましくなるほど。
「思った通りかも。背も高いよね。私から見て高いって、相当なことだよ?」
苦笑話だけど、母の血のおかげで、私は色んなものが日本人より突出している。
髪の色しかり、身長に至っては、確か170cm近くあったような気がする。
ちなみに現在も成長中。
これ以上目立ちたくない私泣かせの事態である。
……それはともあれ、今の状態だけでも若葉くんの眉目秀麗さがひしひしと感じられる。
だからすごく頭をよぎっていることは、眼鏡を取ったらどうなるんだろう、という月並みな考えだった。