夜空の琥珀
 
「私ね、日本語は少し苦手なの。よかったら教えてくれるといいな。あ、それと京都の言葉も。すごく興味があるの!」



 そうは言うけど、彼女は明らかに日本語が流暢である。

 この場合、日本語しか知らない僕より、外人である彼女のほうがすごいのではないか。



「僕はあまり京都にいたことがありません。だから、京言葉は知らないんです」


「あら、そうなの?」


「……東京での検査が多くて、家に帰れない、から」



 僕のことを知っているということは、彼女はこの体質のことも少なからず知っているのだろう。

 わざわざ隠すのも億劫だから、包み隠さず話した。
 
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