夜空の琥珀
僕が壬生狼であったことを、どうして言ってくれなかったのか、会えなかった3年間寂しかったと、彼女は言った。
それは確かに嬉しかったけど。
「……甘いね。僕は10年だよ」
遠い星に恋をするような10年間。
会えないことが寂しかった。
けれど、想い続けていることは幸せだった。
つまり何が言いたいのかっていうと。
昔も今も、そしてこれからも、僕の気持ちは変わらない、ってこと。
「大好きだよ、セラちゃん」
恥ずかしがり屋な君と、まだぎこちない距離はある。
けれどいじらしく染まる桃色の頬がはにかむ様を、いつでも見つめていたいと願うことだけは、許してほしいな。
【終】