夜空の琥珀
 
「すぐに慣れるはずだし、終わったらちゃんと考えるよ」


「そうなんだ……」



 勧誘でなかっとは言えない。

 仲間が増えたらいいなとか、結果的に保留になって残念だとか、そういう気持ちも全部本当。


 でも、決めるのは私じゃない。

 そこまでちゃんと決めてるなら、私から言うことはこれ以上ないよ。



「じゃあ、今日はもう帰るんだ」


「紅林さんは部活だね。頑張って」


「わかった。じゃあね若葉くん。また明日!」



 手を振ったら、振り返してくれる。

 朝起きて、学校に来て、部活をして家に帰る。

 繰り返される日常の中に友達がいるだけで心はこんなに晴れ晴れするんだって、若葉くんの笑顔に教えられたな。
 
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