夜空の琥珀
 
「……痛い」



 呟いた声は、掠れていた。

 手の甲がジンジンと痛みを訴える。

 でもそれ以上に痛いのは、胸だった。



「…………」



 怖がられていただけだと思っていた。

 私から歩み寄り、誤解を解けば、いつの日か打ち解けられる日が来ると信じていた。


 けれど、何を己惚れていたんだろう?

 私は怖がられてたんじゃない。


 ……嫌われてたんだ。


 だからみんなは私に近づかない。

 私に近づくものにも、近づきたがらない。



「紅林さん、こんなところにいたんだ。もう終わったよ?」



 背後から届いた、聞くほどに嬉しくなるはずの優しい声。

 なのに今は聞けば聞くほど、悲しくなるだけ。
 
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