夜空の琥珀
 
「一時はどうなることかと思ったけど、午後の授業丸々休んだからかな、元気になったみたいでよかった」


「私、そんなに寝てたの!?」



 慌てて掛け時計を確認すると、7限目の授業なんて、とっくの昔に終わっていた。

 窓からは茜が差し込んでおり、完全に夕暮れ。

 想像を絶する気絶時間。



「紅林さんは、無理をすると身体が素直に反応しちゃうみたいだね」


「うん。お腹が痛くなるの。でもここまでとは予想がつかず……!」


「それほど、紅林さんにとって堪えることだったんだよ。

 いい機会だと思って、今日は部活休んだら? 全快しないことには調子が出ないでしょ」


「……そうだね」
 
< 71 / 295 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop