夜空の琥珀
 
「……ねえ、紅林さん」


「ん? どうしたの。真剣な顔して」


「……紅林さんが寝てるときに何か言ってたから、少し気になって」


「へっ? 寝言口走ってた!?」


「なんて言ったかは聞こえなかったけど、誰かの名前を呼んでたみたい」



 寝ていたときに見てた夢って……アレだよね。

 どう考えても、アレだよ。



(おっ……お月さまの夢だよぉ~っ!)



 ということは、その誰かって……。



「もしかして、怖い夢だった?」


「そ、そうじゃないけど!」


「けど……?」



 心配そうな若葉くん。

 あ、これは何か言わなきゃ、だよね……。
 
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