夜空の琥珀
 
「ええっと、私が見ていた夢っていうのは怖い夢なんかじゃなくて……その、えっと…………が………………てくれる夢です」


「え?」



 あーもうっ! 聞き返さないでよっ!



「憧れの人が、助けに来てくれる夢です! 文句ありますか!?」



 恥ずかしい!

 ただでさえそんな少女漫画みたいな夢、引くのに!


 とりあえず、怖い夢でなかったとわかったらしい若葉くんは一息ついて、遠い目をする。



「憧れの人……なんだ」



 でも、瞬きをした後には、もとの笑顔に戻っていた。
 
< 76 / 295 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop