夜空の琥珀
 
 いい加減ソリが合わないと判断した私は、仁王立ちして人差し指を突きつける。



「私は教室に行くんだ。用がないなら早々にそこをどけ!」



 これでもかというほどの命令口調。

 なにおう! と掴みかかってくると思いきや、「言われるまでもないっつーの」とすんなり道を開けられた。

 肩透かしを食らった私に、やれやれ、とまた肩をすくめて歩き出す城ヶ崎。



(ため息つきたいのはこっちだって!)



 遠ざかる背中にあっかんべー。

 口をひん曲げて歩き出したところ、目の前にはある人物がいた。

 それは、なるべくここにはいてほしくなかった人。
 
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