夜空の琥珀
「で? 突然そんなこと言い出すからには、何か理由があんだろうな?」
「あ……何でもないっ。騒いで悪かったな!」
「おいっ!?」
急にいたたまれなくなり、逃げるように駆け出した。
土を蹴りながら考える。
私は、どうして安心してしまったの?
城ヶ崎が彼ではないとわかったから?
城ヶ崎じゃいけなかったの?
……それに、どうして彼は私の前から姿を消したの?
「………………」
急にバカらしくなって、足を止めた。