課長さんはイジワル2
「だけど、この間、その理由が分かったような気がした。

あの時、お前がトレーダーに向いてないなんて無神経なこと言って、ごめんな」



課長……。


課長の腕をぎゅっと握り締める。



「交通事故に遭ったんです。

右足首から上を複雑骨折して、直後に、車が引火して……。

周りで見ていたみんなが助けてくれなかったら、死んでました」


ケロイド状に焼けただれた右足の皮膚。

複雑に砕け散った骨破片は筋繊維にもぐりこみ、今でも時々、激痛をもたらす。



そして、私は二度と踊れなくなった。



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