課長さんはイジワル2
うつむいている私に安田は上着のポケットから紙片を取り出して、私の手の上に乗せる。


「今夜、この店に来て。待ってる」


「ごめん、私、行けない」


だって、さっき、課長と約束したから。


課長の家に行くって……鍵をもらって……。



「一度くらい、僕にチャンスをくれたっていいと思うけど……」


「ごめん……」



紙片を安田に差し戻しながら首を振る。




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