課長さんはイジワル2
キーンと言うマイクのハウリング音に耳を塞ぐ。


安田が「ごめん」と言いながら、マイクを持ち直す。


「みんな、久し振り!」


女の子達の歓声が一段と高くなる。


「今日は……持ち歌じゃなくて、珍しくバラードを歌います。

これは6年前に事故で無くなった僕の崇拝する先輩が遺した遺作です。

プログラムには無いけど、今日はその歌を歌いたい気分なんで……。

じゃ、歌います。

タイトルは『愛』」



えっ?!

「愛」?!



ライトが安田を照らす。


安田の日本人離れしたソウルフルな声がホールに響く。



この曲!



歌が始まった瞬間、全身の鳥肌が立つ。



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