課長さんはイジワル2
家に帰らなきゃ。


私はベッドからなんとか這い出すと、覚束ない足取りでハンガーに掛けてあるブラウスの袖を手に取る。


洗濯してある。


それに、アイロンも掛けててくれてる。


スーツも……洗濯してくれたんだ。


泥がきれいに落ちてる。



本当にいい奥さんになれるよ、課長。



パジャマを脱ぎ、着替えようとしてハンガーに手を伸ばしたところで立ち眩みがして、その場にうずくまってしまう。


いけない。

クラクラする。



「どうした!?」



ドアを開けて入ってきた課長が駆け寄る。



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