課長さんはイジワル2
「あんなことって、どんなことだよ」

「佐久間課長……」


安田が驚いて立ち上がる。


聞かれてしまった!

こんなところで話すなんて、なんて不注意だったんだろう。


体が震える。


「か、課長、何でもありません。もう後場が始まりますから……」


震えながら振り向いて掴んだ手を課長が振り払う。


「俺は安田に聞いてるんだけど」


ただならぬ私たちの雰囲気に社員食堂がざわめく。


まずい……。


まずいよ。


食堂にいるみんなの視線が私達に集中する。



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