課長さんはイジワル2
「ただいま」


課長の声に慌てて写真立てを元の場所に戻して玄関に出る。



「お、おかえりなさい!」

「なんか……いい匂いがする」


課長がリビングに来て、カバンを下ろしてキッチンに来る。


「へぇ。愛も料理、作れるんだ」

「由紀ねぇほどじゃないけど、まぁ、そこそこ?」

「ふ~ん。でも、そこそこって言う割にはおいしそうだな。一緒に食べよう。着替えてくる」


穏やかな会話に今日一日の出来事が嘘みたいに思えてくる。


しばらくして、リビングに戻ってきた課長と向かい合って食事して、他愛の無い話に笑ってすごくほっとする。




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