課長さんはイジワル2
遅いよ、課長。


覚醒するの。



「そう……か。でも、そんなの誰も気付かないよ」



「甘い!事務方の女性達のチェック力は、課長の黒手帳に勝るとも劣らないレベルなんだから!

同じ服なんて今日、着て行ったら、すぐに噂の的になっちゃうってば!」


前回、同じ服を着て出社した時は、何とか機転を利かせて噂になる前に上手くごまかせたけど、『また』となるとそうもいかなくなってくる。


私の『課長の黒手帳』発言が利いたのか、課長は真剣に考えてくれる。


「始発は5時半だから、一旦家に帰って出社となると、どの道、間に合わないよ」


「5時半……」


間に合わない。


まじで?




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