課長さんはイジワル2
「点滴、終わりましたね。待合室でお呼びしますのでお待ちください」

ベッドから降りる私の足元に、課長が靴を移動してくれる。

壊れ物みたいに大切に扱ってくれる。


でも……

なんか、すごく惨め。


そうなんだ……。


課長が私と一緒に暮らそうって言ってるのは、別に私を愛してるからじゃないんじゃない?


心配だから……

こんな病気で急に私が可哀想に思えたから……


だから、ただそばにおいて置きたいだけ……。



哀れみなんか、いらない。



あんな風に悲しそうな目で私を見る課長の気持ちなんか……いらない……。


課長の腕につかまりながら廊下を移動してるとき、足がピタリと止まる。


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