課長さんはイジワル2
「あの……そうじゃなくて。あ………」

「えっ?何?聞こえない?」

「だから……あの……ありが……と」

「全く聞こえないんだけど?」


課長が耳に手を当て、顔を近づける。


「もうっ!だから、ありが……」


もう一段大きな声で課長の耳に口を寄せた僅か数秒の間に、私の頭の後ろにすばやく手を回した課長に唇を奪われる。



えっ?!




びっくりして、キスの後、唇を押さえる私の鼻を課長が人差し指でピン!とはじく。



「痛っ!」

「礼なんかいいからちゃんと寝てろよ」



笑いながら課長はマンションから出て行く。




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