課長さんはイジワル2
4人が突っ立ったまま、がっぷり四つに見詰め合い、緊迫した雰囲気がリビングを支配している。


「あ……愛?じゃ、コーヒー入れるから手伝ってちょうだい」

「う、うん」


かぁちゃんに促され、キッチンに逃げ込もうとした手を課長がバシッと掴む。


「愛も一緒に、ここに」

「「あ、愛?!」」


課長の『愛』と言う呼び方を、二人はしっかり聞き逃さない。


「本日はお二人に大切な話があって参りました。

実は……僕と愛さんの交際を認めて頂きたいと思っています」


課長が深々と頭を下げる。

私もあわてて課長の角度に合わせて頭を下げる。


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