課長さんはイジワル2
一人蚊帳の外に置かれたとぉちゃんが諒を背中に乗せたまま


「おいは許さんぞ!ぜぇぇぇったい、ぜぇぇぇったい、許さんぞぉぉぉっっ!!」


大声で叫びつつ、四つん這いのフルスピードで廊下へと逃走する。


「とぉちゃん……」


拗ねてる。


とぉちゃんの後を追い駆けようとする私に「行かんで良かっ!」とかぁちゃんが叫ぶ。


「かぁちゃん……、でも……」


それでも行こうとソファから立ち上がる私の肩を、今度は由紀ねぇが首を横に振って引き止める。

そんな私たちの横をかぁちゃんがのっしのっしと肩を揺すらせながら通り過ぎて廊下に出て行く。



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