課長さんはイジワル2
「社会人としての自覚に欠けるな。つらいかもしれないけど二日酔いは病気じゃないから出社するぞ」

アクマな課長に二日酔いの薬をもらい、首根っこを掴まれて会社に出社する。

むかつくけど、こいつの言うとおりだ。

しかも、スーツもブラウスも洗ってくれて、浴室乾燥で乾燥してくれた。

ブラウスは……丁寧にアイロンもかけてある。


「ありがとうございます……」

「えっ?何か言った?」


揺れる電車の中で、私の隣に立っていた佐久間課長がイヤホンを耳から外し、私の方に体を傾ける。


「いえ、別に。ところで何聞いてるんですか?」

「聞いてみる?」


佐久間課長からイヤホンを借りる。


『するってぇと、あいつはこう言ったわけよ……』


イヤホンからは甲高い男の話し声と、観客の笑い声が聞こえる。




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