課長さんはイジワル2
「とにかく謝ってくるよ」


リビングへ向かう課長の腕に手をかける。


「さっき謝ったんだから、もぉいいよ。とぉちゃんは昔から頑固だから。
今謝っても火に油を注ぐようなものだし」

「でも……」

「全然、大丈夫。そんなに心配しなくても」


少なくともかぁちゃんのハートをガッチリ掴んじゃった時点で、将を完全に射抜いちゃってる訳だから。


いずれ馬も落ちるよねと楽観する。



……でも、かぁちゃんと由紀ねぇと私の声ってそんなに似てる?


がばい複雑な心境のまま、この日の両親への課長のお披露目は無事に幕を下ろした。








……ことにする。






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