課長さんはイジワル2
課長はアワビをじっと見ながらボソリと呟く。
「磯のアワビの片思い……か」
「えっ?」
ざわざわとざわめく居酒屋で、私は耳に手を当て課長に聞き返す。
「いや、何でもない。お前、これ食べるか?」
だから、『お前』じゃ、ないっちゅーねん!
心の中でむかつきながらも、高級食材のアワビには勝てない。
「い、いただきます」
フォークで切って、一口パクリと頂く。
「おいしい~!!」
来て良かった、今日の飲み会。
隣で肘杖を付きながら、課長がじっと私を見ていることに気付く。
なんか気になって、非難気味に課長を横目でちらりと見る。
「あのぉ……」
「お前の声ってさぁ……」
「「きゃーーーっ!」」
課長が口を開きかけたとき、入り口の方から黄色い歓声が挙がる。
声のする方を見ると、数人の外国人ご一行様が現れる。
そして、その一団の中心にいる日本人は……
由紀ねぇの旦那だ!!
「磯のアワビの片思い……か」
「えっ?」
ざわざわとざわめく居酒屋で、私は耳に手を当て課長に聞き返す。
「いや、何でもない。お前、これ食べるか?」
だから、『お前』じゃ、ないっちゅーねん!
心の中でむかつきながらも、高級食材のアワビには勝てない。
「い、いただきます」
フォークで切って、一口パクリと頂く。
「おいしい~!!」
来て良かった、今日の飲み会。
隣で肘杖を付きながら、課長がじっと私を見ていることに気付く。
なんか気になって、非難気味に課長を横目でちらりと見る。
「あのぉ……」
「お前の声ってさぁ……」
「「きゃーーーっ!」」
課長が口を開きかけたとき、入り口の方から黄色い歓声が挙がる。
声のする方を見ると、数人の外国人ご一行様が現れる。
そして、その一団の中心にいる日本人は……
由紀ねぇの旦那だ!!