課長さんはイジワル2
「安田……」
「NORIさんの死を乗り超えなきゃって……焦れば焦るほど喉が締め付けられてますます歌えなくなって……」
「歌ってたじゃない、この前は……」
「高低差があまりないバラードだったからなんとか。
無理して歌い続けて喉を痛めてから、この1年はもうまともに人前では歌ってない」
「そう……」
私達はずっと見つめあったまま、お互いの瞳の中にノリの存在を見てる。
安田が私に向かって伸ばしかけた手をすっと引っ込める。
「……もう寝よう」
「安田……。わがまま、言ってもいい?」
「ダメ」
安田は私に背中を向けると、ベッドに潜り込み掛け布団を頭まで被る。
「あの時、ステージで歌ってた歌、もう一度、歌ってくれないかな?」
「いやだ」
「歌って。なんか寝れなくて。聞きたい、安田の歌」
安田が布団から出て、上半身を起こす。
安田の真剣な顔が青白く月の光に照らし出される。
「……いいよ、歌っても。ただし、杉原さんを抱かせてくれるんならね」
「NORIさんの死を乗り超えなきゃって……焦れば焦るほど喉が締め付けられてますます歌えなくなって……」
「歌ってたじゃない、この前は……」
「高低差があまりないバラードだったからなんとか。
無理して歌い続けて喉を痛めてから、この1年はもうまともに人前では歌ってない」
「そう……」
私達はずっと見つめあったまま、お互いの瞳の中にノリの存在を見てる。
安田が私に向かって伸ばしかけた手をすっと引っ込める。
「……もう寝よう」
「安田……。わがまま、言ってもいい?」
「ダメ」
安田は私に背中を向けると、ベッドに潜り込み掛け布団を頭まで被る。
「あの時、ステージで歌ってた歌、もう一度、歌ってくれないかな?」
「いやだ」
「歌って。なんか寝れなくて。聞きたい、安田の歌」
安田が布団から出て、上半身を起こす。
安田の真剣な顔が青白く月の光に照らし出される。
「……いいよ、歌っても。ただし、杉原さんを抱かせてくれるんならね」