課長さんはイジワル2

第6節 伝えたい言葉

ギシッと音を立てて、安田がベッドから立ち上がる。

「安……田……」

真剣な目。

安田、本気だ。

何か抵抗できるもの……

武器になるもの……。



あった!



ベッド脇にある懐中電灯を手に

「き、来たら殴るから!」

精一杯、威嚇する。


だけど、私の構えをすり抜け、安田のチョップが私の頭をポカリと叩く。

「何があったか知らないけど、しっかりしろよ」

「……安田?」

安田が隣のベッドにドサリと腰を下ろす。

「少しはドキッとした?」

「えっ?!」

「襲うわけないだろ?それに和田と同室だったの、俺じゃないし」

「えっ?どういうこと?」

叩かれたおでこをさすりながら、キョトンと安田を見る。


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