課長さんはイジワル2
「どこ行くの?」

「社員食堂。今日はあっちで勉強してるから、何か困ったことがあったら来て」

「食堂で勉強なんて、風邪引くよ?」


部屋から出て行こうとする安田の腕を掴んで引き止める。


そんな私を安田がじっと見つめる。


「……やっぱり、向こうで勉強する。

それから、鍵をしっかり閉めて寝た方がいいよ」


出て行くときに、安田が「あ、そうだ」と振り返る。


「もう、NORIさんの事は忘れた方がいいんじゃないかな?

もし、僕が佐久間課長の立場だったら、そう言うのいつまでも引き摺られると、重いし、しんどいと思う」


少しだけ微笑んで「じゃ」と言って安田は部屋を出て行く。




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