課長さんはイジワル2
……冷たい。
零れそうになる涙を何度も目を瞬かせることで、瞼の奥に押し込む。
「課長……。
私だよ。
こんなところで眠ってないで、一緒に家に帰ろう?
約束、したよね?
今日は早く家に帰ってくるって。
課長の好きなハンバーグ、もう出来たんだよ?」
何の反応もない課長の腕に頬をすり寄せる。
「ひどいよ、課長。
『好きだよ』とか『愛してる』とか、どうでもいいことは言うくせに……。
肝心なことは、何一つ、私に話してくれていなかったなんて……」
課長の指の一本一本に自分の指を絡めて、おでこに当て祈る。