課長さんはイジワル2
第5章 手を繋いでいて
第1節 課長のお父さん
翌日。
課長の入院の用意をするために、一旦、課長のマンションに帰る。
バッグに着替えを詰め込み、リビングを通り抜けようとしたとき、課長の小学校卒業式のときの写真が目に飛び込んでくる。
『中学の時に親父さんが病気で亡くなって……
おふくろさんも5年位前かな?
ガンで亡くなったって聞いた』
吉田さんの言葉どおりだとしたら、この数年後には課長のお父さんは亡くなったってことになる。
そして……お母さんの死……。
写真の中のまだ少年っぽさの残る課長の眼差しが私をじっと見てる。
ずっと孤独に堪えて生きてきた課長……。
だけど……
『俺は愛されるより、愛したい』
愛する人たちを失っても、人を愛する勇気を持っている人……。
写真立ての課長をぎゅっと抱きしめる。
課長の入院の用意をするために、一旦、課長のマンションに帰る。
バッグに着替えを詰め込み、リビングを通り抜けようとしたとき、課長の小学校卒業式のときの写真が目に飛び込んでくる。
『中学の時に親父さんが病気で亡くなって……
おふくろさんも5年位前かな?
ガンで亡くなったって聞いた』
吉田さんの言葉どおりだとしたら、この数年後には課長のお父さんは亡くなったってことになる。
そして……お母さんの死……。
写真の中のまだ少年っぽさの残る課長の眼差しが私をじっと見てる。
ずっと孤独に堪えて生きてきた課長……。
だけど……
『俺は愛されるより、愛したい』
愛する人たちを失っても、人を愛する勇気を持っている人……。
写真立ての課長をぎゅっと抱きしめる。