課長さんはイジワル2
前を歩く押尾さんと吉田さんを振り切って、安田が戻ってきた。


『俺を庇って佐久間課長、刺されたんだ。

俺がついて行くなんて行ったばかりに、足手まといになって……。

ごめん!本当にごめんね!!』


あの時の泣きそうな安田の顔を思い出してつられたのか、懸命に我慢していた涙が零れ落ちてしまう。


「うっ……ぅぅぅ~~……課長の、バカ!!

もしかしたら、死んじゃってたかもしれないんだよ!

真っ青で、死人みたいで……もう……ダメなんじゃないかって怖くて……。

合気道出来るくせに、何やってるのよ!!!」


「愛……」


「不安だったっっっ!課長、死んじゃうんじゃないかって、怖くて、すごく不安で……。

お願い。もう二度とこんな不安な気持ちになんてさせないで!」




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