課長さんはイジワル2
「……ごめん」


ベッドに突っ伏して泣く私の頭を課長の手がそっと撫でる。



生きてる……。



顔を上げると、温かい課長の手のひらに唇を寄せて、その手を自分の頬に添える。



「課長……愛してる……」

「愛……」

「キスして」

「え?えぇっとぉ……そのぉ……」


珍しく躊躇する課長に痺れを切らして、私から頑張ってキスしようとしたとき、



ボトン


背後で何かカバンみたいなのが、落ちた音がして……


「あ。ああ、すまん。また出直して来るよ」


課長が「すみません」なんて、ちょっと恥ずかしそうに私の後ろに向かって話し掛けてる。





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