課長さんはイジワル2
「実際、可愛いですよ。勝気なくせに結構、甘えん坊で。

表情がクルクル変わって見てて飽きない」


「じゃ、長生きして見守っていてあげなきゃいかんな」


「……ですね。……NYに行って、俺は俺に課せられた『神様からの課題』をいい加減、待ちの体勢じゃなく、自ら立ち向かって解きたいと思います」


「幸運を祈るよ」


海江田医師と課長の手ががっちりと握手を交わすのが見える。



私はその場をそっと後にし、屋上へと向かう。



地上を見下ろせば、やがて、ひとつひとつの家にぽつりぽつりと明かりが灯り始める。





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