課長さんはイジワル2
「課長……。私、ノリのことは忘れようと思う。
安田にも言われたの。
もう、いい加減、忘れた方がいいって。だから……」


「……忘れることないよ」


「えっ?」


「ノリが亡くなって彼の体はこの世にはないかもしれないけど、そいつの想いが愛の中で永遠に行き続けたっていいんだ。
ノリの存在を無理して2度も亡くす必要はないよ。
一緒に生きて行けばいい」


「課長……」


思いもかけない課長の言葉に泣きそうになる。


「でも、嫌じゃない?そういうの……」

「嫌じゃないよ。それに、愛が死ぬほど愛しているのは俺だから」

「何?その自信!」


吹き出しそうになる私に課長が真顔で答える。


「違うの?でも、俺は死にそうになっても生き返るほど愛のこと愛してるから」

「課長……」

「俺、死ぬのかなとか思ってたとき、愛の声が聞こえて……。
目を開けたら、お前、泣いてるし、怒ってるし……。
この勢いだと死んだら殺されるかもしれないと思うと怖くて死ねなかった」



< 394 / 522 >

この作品をシェア

pagetop