課長さんはイジワル2
「お久し振りです」

「急に連絡もなしに来てしもうて……」

「いえ、お会いできて嬉しいです」


課長の声に被さるように押尾さんの声が聞こえる。


「よっ!来たぜ」

「押尾!何、勝手に入ってきてんだよ」

「固いこと言うなよ。俺たち、退院祝いに来たんだけど」

「今、来客中だから」

「お、おい!締め出すなよ!」

「おいはちょっと話しばしたらすぐ帰るけん、よか」

「お父さん……」

「えっ?!『お父さん』?お前、確か親父さんは亡くなっていないって?」

「愛のお父さんだよ」

「おいの娘ば呼び捨てにすんなっっ!それにお前に『お父さん』てんなんてん呼ばれとうなか!」


……もめてるらしい。

急いでシャツのボタンを留め終え、髪を整えると寝室から飛び出す。

「い、いらっしゃい!そこで立ち話もなんだし、とにかく上がって!」

「おー、愛。元気にしとったか?」

「うん、元気元気。とぉちゃんも元気そうで……」


受け答えしながら、とぉちゃんを家に招き入れる。

ちらっと押尾さん達を見ると、目が据わってる。


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