課長さんはイジワル2
『ヤッてたな』

『ヤッてたんだろ?』

『先輩たち、シーーーーッ!!』


背後からボソボソと押尾さんたちの声が聞こえる。


な、なんで?

なんで分かっちゃうのよ?

かぁ~っと顔が熱くなりつつも、急いでとぉちゃんをリビングに通して、3人組との距離を遠ざける。


『痛っったぁぁぁ~~~!』


押尾さんの絶叫が聞こえる。

課長、押尾さん達をボコったらしい。

押尾さん達をソファに招き、とぉちゃんをテーブルに着かせ、私と課長がその前に座る。


「あんた、刺されたと聞いとったが傷はもう大丈夫ね」

「ええ。愛さんのお陰で」

「そうか……」


とぉちゃん?

なんかいつもと様子が違う。

とぉちゃんは椅子に腰を下ろすと、言い出しにくそうに話を切り出す。


「……愛、太っ腹町さ、戻らんね?」

「えっ?!」

「会社が倒産したっちゅーたら、もうこっちで生活はできんじゃろ?
それにいつまっでん、佐久間君の世話になるわけにゃいかん」

「とぉちゃん……」



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