課長さんはイジワル2
まさか違うよね?


「課長……あの……健……」


訊ねようとして課長の異変に気づく。


なんか課長の様子がおかしい。


私の肩に置かれた課長の手が異様に熱い。


そう言えば、課長からメールを貰ってからもう2時間近く経ってる。

って、言うことは……まさか、この雨の中、ここで1時間以上もこの雨に打たれていたって言うの?


「課長のばか!何が風邪を『引かない』よ!もう引いてるじゃない!」


急いで傘を差し、課長の腕を掴む。


でも、掴んだはずの課長の腕が私の手から離れて……


まるでスローモーションでも見ているみたいに、課長が地面に崩れ落ちる。


「か、課長?!課長!!しっかりして!課長!」


どうしよう……

どうしたらいいの?


降りしきる雨から課長をかばうようにして覆い被さり、声を限りに必死に叫び助けを求める。


「S……Some…… Somebody, help us!(誰か!誰か助けて!)Please!」


だけど、次第に強くなっていく雨脚が私の声を掻き消していく……。


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