課長さんはイジワル2
「ノリって、あのノリ?」

「うん」

「……そうか。亡くなったって、いつ?」

「昨日」

「昨日……か」


課長がベッドの上で横になりながら、私においでおいでをする。

なんだろうと思って近寄れば、課長が私の手を引き寄せ、そっと抱きしめてくれる。


「な、なに?」

「いや……。愛が泣いてるから」


課長の広い胸に頬を埋め、ほっとしながら、クスリと笑う。


「でも、風邪、うつるし」

「あっ、そうか。ごめん!」


慌てて、課長が私を引き離す。


「冗談。いいよ。うつしても」

「愛……」


自分から課長の胸に頬ずりする。


「明日、日本に帰るね」

「明日?!足の治療は?」

「今はしない」

「何で?」

「……6,000万」

「えっ……!?」


課長の胸の鼓動がドクンドクンと大きな音を立ててる。



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